真霊論-電磁波攻撃

電磁波攻撃

「電磁波攻撃」とは、電磁波を利用した装置などによって相手に何らかの害を与え、言論・活動・仕事を妨害したり、時には人生そのものを狂わせようとするハイテク犯罪の一形態とされているものだ。なかでも、電磁波を使って他者の脳内思考を盗み取るとされる「思考盗聴」は、その最たる例として語られることが多い。

また、電磁波攻撃は集団ストーキング行為の一環として行われるケースが多く、両者はしばしば一体のものとして論じられている。集団ストーカー行為については実際に訴訟例が存在し、現実に起きていることが確認されている。一方で、電磁波攻撃の実態については未確認情報や捏造情報が多く混在しており、「思考を盗める電磁波」が本当に存在するのかどうか、現時点ではっきりとした答えは出ていない。

インターネットにおける自称被害者

インターネットの普及とともに、「電磁波攻撃の被害を受けた」と主張する人たちの声はじわじわと増えてきた。彼らの体験談をネット上で読み込んでいくと、まるでSF映画の世界さながらの出来事が語られていることに気づく。

被害の中心となっているのは、「不快感・頭痛・めまいといった身体症状を引き起こすこと」だという。これはいわゆる電磁波障害の一種で、高架線など強力な高周波電磁波の近くにいると実際に起こりうることが知られている。WHO(世界保健機関)も電磁波の人体への影響について継続的な調査を行っており、一定の出力以上の電磁波が生体組織に影響を与えることは科学的に認められた事実だ。

ただし、自称被害者たちの訴えはそこにとどまらない。「通りすがりの若者を装った工作員のリュック」や「ベンチに座る女性工作員のバッグ」から強力な電磁波が照射されているというのだ。その主張には無理がある。標的を傷つけるほどの電磁波を発するには、持ち運べないほど大規模な装置が必要になるからだ。

さらに、自称被害者たちによれば、電磁波攻撃は思考を盗み読むだけでなく、逆に外部から思考や映像、音声による「洗脳キーワード」を送り込むことさえ可能だとされている。現実と妄想の境界が、ここでは非常に曖昧になっている。

電磁過敏症との関連

電磁波攻撃を語るうえで、「電磁過敏症(EHS: Electromagnetic Hypersensitivity)」という概念も避けて通れない。電磁過敏症とは、携帯電話基地局・家電製品・送電線などから発する日常的なレベルの電磁界を浴びることで、皮膚の発赤やチクチク感、頭痛、倦怠感といった多様な症状が生じると訴える状態のことだ。

電磁界情報センター(JEIC)によれば、世界各国でこうした症状を訴える人は一定数存在するものの、科学的な二重盲検試験では電磁波ばく露と症状の出現に因果関係が認められていないという。WHOもファクトシートNo.296において、電磁過敏症は医学的に診断可能な疾患ではないと結論づけている。つまり、症状そのものは本物の苦しみであっても、その原因が電磁波かどうかは別の話なのだ。この複雑な構図が、電磁波攻撃をめぐる議論をいっそう難解にしている。

軍事機密としての電磁波攻撃

では、なぜこれほどまでにSFじみた話がネット上でリアリティを持って広まっているのか。その背景には、電磁波攻撃が軍事の領域では「実在する技術」だという事実がある。

電磁波を兵器に転用する研究は、第二次世界大戦中から米ソ両国を中心に秘密裏に進められてきた。アメリカCIAは冷戦下の1964年、「MKサーチ(MKSearch)」という計画のもとで電磁波や超音波を用いた記憶消去の実験を行っている。これは、1950年代から続いた悪名高い人体実験プロジェクト「MKウルトラ(MKUltra)」の後継プログラムとして位置づけられるものだった。

また、「マイクロ波聴覚効果(フレイ効果)」という現象も注目に値する。これは1961年に神経科学者アラン・フレイが発見したもので、パルス状のマイクロ波を人体に照射すると、骨伝導を通じて頭の中で直接音が聞こえるように感じる、というものだ。この原理を応用したものが、現在では「神の声(Voice of God weapon)」の名で語られる兵器とされており、信心深い人物をターゲットにして「神の声」を聞かせることで行動を制御できる、という理論が一部の軍事研究者の間で語られてきた。

こうした軍事機密の断片が、情報公開やリークを通じてネット上に流れ出している。それが自称被害者たちの想像力を刺激し、民間レベルに置き換えて解釈される形で「電磁波攻撃」の語られ方が広がっていったのかもしれない。

米国での訴訟事例

「電磁波攻撃は軍事だけの話」とも言い切れない出来事が、2008年の米国でも起きている。その年の年末、ジェームズ・ウォルバード氏は「以前の仕事仲間から、精神に作用する電磁放射の攻撃を受けている」として、差し止めを求める訴訟を起こした。

ウォルバード氏によれば、ビジネス上の取引をめぐってレッドフォード氏と対立した後、同氏から「放射注入をするぞ」という脅しを受けたという。その後、実際に「電気ショックのような感覚、電子的に生成された音、耳の中ではじける音や耳鳴り」を経験するようになったと訴えた。

12月30日(米国時間)、裁判所はウォルバード氏側に有利な判決を下し、「電子的な方法」による嫌がらせを禁じる保護命令を発令した。これは極めて異例の司法判断として注目された。

軍事レベルでは確かに「思考盗聴」に近い技術の研究が進みつつあるようだ。しかしながら、それらはなお高度な機密段階にある。集団ストーカーを行うような組織がそれを大幅に上回る技術をすでに保有しているとは、現段階では考えにくいのが実情だ。

また、仮にそうした高度な技術が個人に向けられるとすれば、それ相応の立場にある人物、つまり「狙われる理由のある人物」がターゲットとなるはずで、ごく一般の市民が大規模な電磁波攻撃の被害に巻き込まれるというシナリオは、やはり現実的とは言えないだろう。

ただ、もし電磁波によるものと思われる症状で日常生活に支障をきたしているのであれば、まずは警察や医療機関に相談してみることを検討してほしい。

創価学会と電磁波攻撃

宗教法人・創価学会による電磁波攻撃は、インターネットを中心にかねてより噂されてきた嫌がらせの手法のひとつとして語られている。創価学会に対して批判的な言動をとった人間に対し、電磁波を浴びせることで吐き気やめまい、精神的苦痛を与えるというのが、その主な訴えだ。

しかしながら、こうした行為が司法の場で実証されたケースはいまだ存在せず、都市伝説として片づけられることも多い。一方で、「自分が被害に遭った」と根強く主張し、創価学会を糾弾し続けている人たちも少なくないのが現実だ。

創価学会は、会員数・影響力のいずれの面からみても日本有数の宗教組織であることは間違いない。大きな組織はその是非を問わず批判を受けやすいものだ。公明党を通じた国政への関与や布教活動のあり方への合理的な批判もあれば、単純な感情的反発もある。日本という国が、信仰宗教に対して文化的に厳しい視線を向けがちな社会であることも、この背景にあるだろう。

宗教団体とは一般的に、批判されることを極度に嫌うものだ。信者にとって、自身の信仰を否定されることは存在を揺るがされるような出来事に等しく、激しく反応することは心理的には自然な反応ともいえる。世界史を振り返れば、宗教を起源とする争いや紛争がいかに絶えないかは周知のとおりだ。

創価学会もまた、批判に対しては徹底的に対抗することで知られる。日本共産党との激しい相互批判はよく知られているし、大川隆法が主宰した幸福の科学との鮮明な対立構造もその一例だ。電磁波攻撃も、こうした対抗手段のひとつとして解釈されているのだろう。

創価学会の概要 ~歴史とその影響力

改めて創価学会の実態を確認しておこう。

創価学会は1930年、牧口常三郎と戸田城聖によって「創価教育学会」の名で創設された。1945年に現在の名称へ改称し、1952年に宗教法人として認証されている。

飛躍的に会員数を増やし、現在の巨大宗教団体となったのは池田大作が第三代会長に就任してからのことだ。海外布教にも力を入れており、創価学会インタナショナル(SGI)という世界組織には51か国もの団体が加盟している。

1964年には公明党を結成し、政治の世界にも積極的に進出している。当初は参議院への出馬のみだったが、その後方針を転換して衆議院にも議席を設けた。55年体制が崩壊した1993年以降は与党側に加わる機会も多く、公明党員の9割以上が創価学会員で構成されているため、選挙のたびに安定した集票力を発揮し、今もキャスティング・ボートとしての存在感を保っている。

豊富な資金力と会員数を背景に、各分野への影響力は年々高まっている。芸能人・文化人・スポーツ選手にも会員は多く、機関誌「聖教新聞」ではたびたびそうした著名人のインタビューが掲載されている。芸能界では「入会すると仕事が増える」という噂もあるが、売れていない会員も多数いることを考えると、目立つ成功者が注目されがちなだけで、実態は一般社会の比率と大差ないとみるのが妥当だろう。

また、創価学会本体または関連企業がメディアのスポンサーを務めていることも少なくなく、聖教新聞の印刷を毎日新聞や読売新聞の印刷所に委託していることも広く知られている。こうした関係から、テレビや大手メディアが創価学会を正面切って批判することは難しい構造になっている。電磁波攻撃についての言及がインターネットを通じてのみ広がっているのも、こうした事情が背景にある。

さらに、会員数が膨大であるということは、警察や司法の内部にも会員が存在する可能性を意味する。創価学会にまつわる問題がなかなか表に出てこない背景には、こうした内部浸透があるのではないかという指摘もある。影響力のある層を味方につけるという手法は、批判を封じ込めるためのシンプルかつ強力な戦略だといえよう。

2007年時点での公称会員世帯数は827万世帯。実際の会員数については諸説あるが、1200万人から2000万人と推計されている。そのすべてが熱心な信者というわけではなく、事実上の脱会者が含まれている可能性も高いが、積極的に活動している会員だけでも500万人前後にのぼると桃山学院大学の沼田健哉教授は分析しており、日本最大級の宗教組織であることは疑いようがない。

教義の根幹は日蓮を末法の本仏と仰ぐものであり、その仏法の布教を使命としている。かつては日蓮正宗と宗門・講の関係にあったが、教義解釈をめぐる軋轢が続いた末に1991年に破門された。この一件からも、創価学会が批判者に対して徹底抗戦の姿勢をとってきた歴史が読み取れる。

破門以降、創価学会は独自の宗教色をいっそう強め、歴代三代会長を「永遠の指導者」として規定している。「万人の幸福」と「世界の平和」を掲げる組織が、その一方でさまざまなトラブルを引き起こし続けてきたことは、何とも皮肉な事実だ。

創価学会にまつわるトラブルの多さ

創価学会が個人にまで攻撃を仕掛けるという説が根強く語られる背景には、過去のトラブルの多さがある。

その代表格が「言論出版妨害事件」だ。1960年代から70年代にかけて、創価学会に批判的な書籍の出版・流通を阻止するよう各方面に圧力をかけたとされる事件で、当初はほとんど表に出なかったが、次第に批判が拡大し、最終的には国会でも取り上げられ、出版協会が声明を出すにいたった社会的事件だった。現在でも書籍での創価学会批判が比較的多いのは、こうした歴史的経緯があってのことだと考えられる。

選挙にまつわる事件も後を絶たない。1968年に起きた新宿替え玉事件は特に有名で、他人の投票権を無断で使用して公明党候補へ投票したとされる。認知症の老人を半ば強制的に投票所へ連れ出し、介添えを装って公明党へ投票させたという事例も問題化している。

こうした積み重なったトラブルの歴史が、実証されていないにもかかわらず電磁波攻撃という話に一定のリアリティを与えているのではないか、と感じさせられる。

もし被害にあったら? ~電磁波攻撃の実態と対策

創価学会による嫌がらせとして語られるものには、主に三つの手口がある。「盗聴」「集団ストーカー」、そして「電磁波攻撃」だ。

盗聴は、創価学会に限らず反社会的な組織が古くから用いてきた手段だ。革マル派などの新左翼党派の構成員が盗聴で摘発されるケースは、学生運動の時代から数十年を経た今もなお続いており、専用の機器で定期的にチェックすることである程度の自己防衛が可能とされている。

集団ストーカーは、大きな組織力を生かした攻撃手法だ。派手に動けば警察に通報されてしまうため、陰湿かつターゲットにしか気づかれないような嫌がらせを執拗に繰り返す。監視下に置かれているも同然の状況は、精神的なダメージが特に大きい。

これらと比べると、電磁波攻撃は最も直接的な身体への介入だといえる。しかも電磁波は肉眼では見えないため、被害を受けていても原因を特定できないという卑劣さを孕んでいる。

具体的な症状として訴えられているのは、重度の場合は耳鳴り・頭痛・吐き気が何日も続くこと、軽度でも睡眠障害や肩こりが持続すること、そして電化製品の相次ぐ故障による間接的な経済的損害だ。これらの症状と電磁波の関係を安易に結びつけることには慎重でなければならないが、微弱な低周波であっても脳波に一定の影響を与えることは、科学的にも確認されている。理論上、睡眠状態や興奮状態を人為的に引き起こすことも可能だという研究者もいる。

さらに厄介なのは、電磁波攻撃が盗聴や集団ストーカーと組み合わされることで効果が増幅される点だ。ターゲットが帰宅したタイミングを見計らって電磁波を照射したり、生活リズムに合わせて攻撃を仕掛けたりと、その手口は巧妙に設計されているという。

統合失調症との類似症状という問題

深刻な被害を訴えていても、それを証明することは非常に難しい。医師に相談しても「妄想だ」と一蹴されるケースが多く、社会的信用を失うリスクも生じてしまう。

この問題が難しいのは、統合失調症の症状のひとつとして、「外部から声や情報を送り込まれている」「誰かに監視・追跡されている」という被害念慮・関係念慮がよく知られているからだ。厚生労働省の解説によれば、統合失調症は主に幻覚・妄想・思考の混乱といった症状を呈し、日本では約100人に1人が発症すると言われる決して稀ではない精神疾患だ。電磁波攻撃の被害体験と統合失調症の症状は、表面的に非常に似ているため、医師がどちらかに判断を傾けることは避けられない。よほど長年の信頼関係のある医師でなければ、相談するだけでかえって状況が悪化することもあるかもしれない。

電磁波攻撃の疑いがある場合、最も現実的な確認手段は電磁波測定器を自ら購入して計測することだろう。ただし、測定によって数値を確認しても攻撃そのものは防げないうえ、現実を直視することで疑心暗鬼が深まり、精神的ダメージがむしろ増す可能性もある。

また、仮に異常な電磁波の存在を確認できたとしても、それが創価学会による意図的な攻撃かどうかは別問題であり、その段階では警察が動くことも難しいのが実情だ。

現状では、唯一有効性があるとされる対策は転居だ。引っ越しをしても、監視下にある状態では転居先がすぐに特定されて新たな監視がはじまるとも言われるが、盗聴器を除去したうえで巧みに夜逃げを実行すれば、しばらくの平穏は得られるかもしれない。しかし創価学会の組織力を考えると、それも長続きしないという声が多い。根本的な解決策が見当たらないというのが、現状の悲しい結論だ。

もし被害に遭っていると感じているなら、これまでの被害者たちがそうしてきたように、インターネットを通じてその実態を世間に発信し続け、社会的な関心と世論の変化を待つ以外に道はないのかもしれない。

参考ホームページ・文献等

総務省 電波利用ポータル - 電波の安全性に関する取り組み:https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/

総務省 電波利用ポータル - 電波の安全性に関するパンフレット:https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/p...

総務省 電波利用ポータル - 海外動向(WHOの見解など):https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/ele/p...

環境省 - 身のまわりの電磁界について:https://www.env.go.jp/content/000203556....

環境省 - 超低周波電磁界 (環境省版:日本語訳):https://www.env.go.jp/chemi/electric/mat...

一般財団法人 電気安全環境研究所 電磁界情報センター - 公式サイト:https://www.jeic-emf.jp/

電磁界情報センター - 健康影響についてのFAQ:https://www.jeic-emf.jp/public/faq/healt...

電磁界情報センター - 世界保健機関(WHO) ファクトシート集:https://www.jeic-emf.jp/documents/pdf/WH...

電磁界情報センター - 電磁過敏症について:https://www.jeic-emf.jp/public/story/oth...

電磁界情報センター - WHOファクトシートNo.296「電磁過敏症」:https://www.jeic-emf.jp/documents/pdf/Fa...

東京電力パワーグリッド - 専門機関の評価|なるほど電磁波!:https://www.tepco.co.jp/ps-engineering/d...

厚生労働省 - ペースメーカの取扱いについて(電磁波の影響に関する資料):https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/05/dl...

電源開発(J-POWER) - 健康への影響はないの?(WHO国際電磁界プロジェクト):https://www.jpower.co.jp/tn/denjikai/5_h...

東北電力ネットワーク - WHOのファクトシート:https://nw.tohoku-epco.co.jp/electromagn...

中部電力パワーグリッド - 世界保健機関(WHO) - 公的機関の見解:https://powergrid.chuden.co.jp/anteikyok...

こころの耳(厚生労働省) - 統合失調症:用語解説:https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/wor...

厚生労働省 - 家族や友人が統合失調症になったとき:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disea...

日本精神神経学会 - テーマ1:統合失調症とは何か:https://www.jspn.or.jp/modules/advocacy/...

情報通信研究機構 (NICT) 電磁環境研究室 - 公式サイト:https://emc.nict.go.jp/

国立環境研究所 - 超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究:https://www.nies.go.jp/pr/publications/n...

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