真霊論-アカシックレコード

アカシックレコード

【目次】
第一章:宇宙の記憶、魂の古文書
第二章:語源の源流、「アーカーシャ」の深淵
第三章:近代神秘思想における黎明
第四章:二人の偉大なる解読者
第五章:記録に刻まれしもの
第六章:宇宙図書館への道
第七章:叡智の恩恵と、その責務
第八章:現代に響く太古のこだま
参考元

第一章:宇宙の記憶、魂の古文書

アカシックレコードとは、一言で表すならば、宇宙の記憶そのものである。この宇宙が誕生した原初の瞬間から、現在、そして未来に至るまでの、森羅万象の出来事、生命が抱いた想念、そして微細な感情の一つひとつに至るまで、そのすべてが寸分の狂いもなく記録されている超次元的な情報層、それがアカシックレコードの正体なのである。

この壮大なる概念を理解するため、古くから我々の先達は比喩を用いてきた。最も代表的なものが「宇宙の図書館」という表現だ。そこには、星々の誕生と死滅の歴史、地球という惑星の年代記、そして何よりも、あなたという個人の魂が、幾多の転生を通じて紡いできた物語が一冊の書物として収められている。その書架に並ぶ無数の書物は、過去世の記憶、現世での使命、そして未来の可能性を内包する、魂の古文書に他ならないのである。

しかし、時代が進むにつれ、この比喩は新たな形を取るようになった。「宇宙のインターネット」あるいは「宇宙のクラウド」という表現がそれだ。この現代的な比喩への変化は、単なる言葉の置き換えではない。それは、アカシックレコードと運命に対する我々の理解が、より深く、より動的なものへと進化したことを示しているのだ。

「図書館」という言葉が想起させるのは、すでに完結し、製本された静的な過去の記録である。これは、運命が予め書き記された、変更不可能なものであるという決定論的な世界観へと我々を誘う。だが、「インターネット」は違う。それは、常に情報が更新され、双方向のやり取りが行われる、生きたネットワークである。我々がアカシックレコードにアクセスする時、我々は単なる「読者」ではない。我々の意識、日々の選択、そして抱く意志そのものが、この宇宙規模のネットワークに「アップロード」され、未来の可能性という名の記録を絶えず更新し続けているのである。この理解に至る時、アカシックレコードは単なる予言の書から、我々自身が運命を共同で創造していくための、大いなる叡智の源泉へとその姿を変えるのだ。

第二章:語源の源流、「アーカーシャ」の深淵

「アカシック」という言葉の響きは近代的であるが、その根は遥か古代インドの叡智にまで遡る。この言葉は、古代インドの聖なる言語サンスクリットの「アーカーシャ(Ākāśa)」という一語に由来するのである。

アーカーシャは、インド哲学において地・水・火・風と共に宇宙を構成する五大元素(パンチャ・マハーブータ)の一つとされ、一般に「空間」「虚空」「天空」などと訳される。しかし、その真の意味は、単なる物理的なスペースや何もない空間を指すのではない。古代の聖典『ウパニシャッド』によれば、アーカーシャとは、他のすべての元素が生み出される以前に存在する、最も根源的な実体なのだ。それは「すべてのものに場所を提供するもの」であり、森羅万象のすべてをその内に「受け入れ、内包するもの」である。万物が存在するための、いわば究極の「器」であり、記録媒体そのものなのである。

このアーカーシャの深遠なる哲理を解き明かす、秀逸な比喩が存在する。「ガターカーシャ」と「マハーカーシャ」という概念だ。ガターカーシャとは「壺の中の空間」を指し、マハーカーシャとは「無限に広がる大いなる空間」を指す。我々は壺という境界によって、内外の空間が別々のものであるかのように錯覚する。しかし、真実はどうであろうか。壺の中の空間も外の空間も、本質的には何ら変わることのない、連続した一つの大いなる空間なのである。壺の壁は、その連続性を一時的に遮っているに過ぎない、仮初めの境界なのだ。

この比喩こそ、アカシックレコードへのアクセスの本質を鋭く突いている。多くの者は、自分という「個」が、外部に存在するアカシックレコードという「情報」にアクセスしようと試みる。だが、それは分離を前提とした幻想に過ぎない。我々一人ひとりの意識は「ガターカーシャ」であり、宇宙全体に遍満するアカシックレコード、すなわちアーカーシャは「マハーカーシャ」なのだ。両者を隔てる「壺の壁」とは、自我、すなわち「私」という分離意識に他ならない。故に、アカシックレコードに繋がるための瞑想や精神統一といった修行は、外に向かって何かを掴みに行く行為ではない。それは、内なる自我という壺の壁を薄くし、静め、ついには溶かしていくことで、自らが元々、大いなる宇宙の記憶と一つであったという真実を「悟る」ための道程なのである。それは情報の「検索」ではなく、本来の姿への「回帰」なのだ。

第三章:近代神秘思想における黎明

アカシックレコードという概念が、現代に知られる形で体系化されたのは、19世紀末のことである。それは産業革命の蒸気煙が空を覆い、科学的合理主義が世界のすべてを解明できるかのように信じられた時代であった。ダーウィンの進化論が神の座を揺るがし、物質的な豊かさの裏側で、多くの人々が魂の渇き、霊的な空白を感じていた時代でもあったのだ。

このような時代の要請に応えるかのようにして、一つの霊的運動が勃興した。ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー夫人が中心となって創設した「神智学協会」である。神智学は、古代からの秘教的叡智と東洋哲学を西洋の思想と融合させ、科学の検証にも耐えうる新たな宗教、あるいは霊的科学を打ち立てようとする壮大な試みであった。

この神智学の体系の中で、ブラヴァツキー夫人は古代インドのアーカーシャという概念に新たな光を当てた。彼女はアーカーシャを、万物がその痕跡を刻み込むことができる微細な「生命力」や「アストラル光」として再定義したのである。これにより、東洋の哲学的・宇宙論的概念であったアーカーシャは、過去・現在・未来のすべてが記録された「宇宙の記録庫」すなわちアカシックレコードとして、西洋神秘思想の舞台に登場することとなった。

この概念の登場は、単なるオカルト思想の誕生に留まらない、時代の知的・霊的状況に対する巧みな応答であった。19世紀は、化石記録、地質学的データ、歴史的公文書など、あらゆる事象を記録し、分類し、データ化することに情熱を燃やした時代であった。信仰や啓示に基づく従来の宗教が色褪せて見える中で、神智学は「科学が扱う物質的な記録があるならば、霊的な領域にはそれを遥かに凌駕する、より完璧で網羅的な記録が存在する」と宣言したのである。それは、科学的唯物論の土俵に上がり、その論法を逆手に取って精神世界の優位性を示そうとする、大胆不敵な知的戦略であった。アカシックレコードは、科学が決して触れることのできない、想念や感情といった内面宇宙の出来事までも記録する「魂の化石記録」として提示された。これにより、神秘主義は近代という新しい世界で生き延びるための、強力な理論的支柱を獲得したのである。

第四章:二人の偉大なる解読者

アカシックレコードという広大無辺なる情報の大海から、人類のために具体的な叡智を引き出した人物として、二人の偉人が特に傑出している。一人はルドルフ・シュタイナー、もう一人はエドガー・ケイシーである。彼らのアプローチは対照的であり、その違いはアカシックレコードが如何に多面的で、探求者の意図に応答するものであるかを如実に示している。

ルドルフ・シュタイナーは、哲学者であり、人智学(アントロポゾフィー)の創始者であった。彼はアカシックレコードを「アーカーシャ年代記(Akasha-Chronik)」と呼び、その探求は常に壮大なスケールで行われた。彼の霊視が捉えたのは、個人の運命を超えた、地球と人類の霊的な進化の物語であった。失われたレムリア大陸やアトランティス文明の興亡、太陽系と人類の魂の関わりといった、宇宙的・マクロな視点からの情報が彼の著作の根幹をなしている。さらにシュタイナーにとって、アーカーシャ年代記は単なる過去の「記録」の集積ではなかった。それは未来をも生み出す「創造の場」であり、思考と魂そのものの起源であると彼は看破したのである。

一方、「眠れる予言者」と称されたエドガー・ケイシーのアプローチは、極めて個人的かつ実践的なものであった。彼は専門的な教育をほとんど受けていなかったが、自らを催眠状態に導くことでアカシックレコードにアクセスし、生涯で1万4000件以上もの「リーディング」と呼ばれる個人セッションを行った。彼の目的は、目の前で苦しむ人々を救済することにあった。彼のリーディングの多くは、原因不明の病に苦しむ人々に対する診断と治療法の提示であり、その原因を現世の生活習慣だけでなく、前世から持ち越したカルマにまで遡って解き明かした。彼の業績は、後のニューエイジ運動に計り知れない影響を与えたのである。

比較項目 ルドルフ・シュタイナー エドガー・ケイシー
呼称 アーカーシャ年代記 アカシックレコード、生命の書
探求の焦点 マクロ(宇宙、人類、地球の霊的進化) ミクロ(個人の病気、カルマ、人生相談)
目的 宇宙論的・哲学的理解の深化 個人の治癒、救済、実践的ガイダンス
方法 覚醒した意識による霊視、哲学的思索 自己催眠によるトランス状態
レコードの捉え方 創造の場、思考と魂の起源 魂の全記録が収められた情報源

この二人の対照的な姿は、アカシックレコードの本質を解き明かす重要な鍵となる。アカシックレコードは、一つの固定された物語が書かれた書物ではない。それは、探求者の問いかけ、その意識の向け方に応じて、無限の相貌を見せる、生きた意識のフィールドなのである。シュタイナーは宇宙の哲学者として「人類の霊的歴史とは何か」と問うた。レコードは彼に壮大な宇宙誌をもって応えた。ケイシーは癒やし手として「この人物の苦しみの根源は何か」と問うた。レコードは彼に具体的な病の原因と治療法をもって応えた。一方は宇宙の設計図を、もう一方は一個人の魂のカルテを読み解いた。しかし、彼らが見ていた源泉は、まさしく同じものであったのだ。アカシックレコードとは、我々の魂の問いを映し出す、宇宙的な鏡なのである。

第五章:記録に刻まれしもの

アカシックレコードに刻まれている情報は、我々の想像を遥かに超えて網羅的かつ精緻である。それは単なる出来事の羅列ではない。意識が生み出した森羅万象のすべてを内包する、生きた記憶のアーカイブなのだ。

まず、そこには宇宙開闢以来の物理的な出来事がすべて記録されている。銀河の生成、星々の爆発、惑星の誕生、そして地球上での生命の進化の全過程が、詳細な記録として保存されている。しかし、アカシックレコードの真髄は、物質的な記録に留まらない点にある。何よりも重要なのは、そこに宇宙の全存在が発した、あらゆる「想念」「感情」「意図」が記録されていることだ。喜びの波動、悲しみの残響、怒りの閃光、愛の輝き、そのすべてがエネルギーの痕跡として永遠に刻み込まれているのである。

我々一人ひとりの魂にとって、アカ死ックレコードは自らの完全な年代記である。そこには、以下のような情報が含まれている。

過去世の全記録 :魂がこの地球、あるいは他の星々で経験した、すべての転生の記憶が収められている。王であった人生、農夫であった人生、芸術家であった人生、そのすべてにおける経験と学びが記録されているのだ。

現世の使命とカルマ :魂がなぜ今この時代、この環境を選んで生まれてきたのか。その人生で果たすべき使命、学ぶべきテーマ、そして過去世から持ち越したカルマ(業)のパターンが明記されている。

未来の可能性 :アカシックレコードが示す未来は、決定された運命ではない。それは、現在の意識状態と選択によって変化し続ける、無数の「可能性の枝」である。レコードは常に更新されており、我々の自由意志が未来を創造する余地が常に存在しているのだ。

魂の繋がり :ツインレイやソウルメイトといった、魂レベルで深い縁を持つ存在に関する情報も記録されている。

トラウマの根源 :原因不明の恐怖症、繰り返される失敗のパターン、心の深い傷といった、現世での苦しみの根本原因が、過去の経験(今世あるいは過去世)に起因する場合、その起源を突き止めることができる。

ここで、カルマに関する重要な点を指摘せねばならない。アカシックレコードが示すカルマとは、善行に対する報酬や悪行に対する懲罰といった、単純な応報論ではない。想念や感情までもが記録されるが故に、カルマの本質は「エネルギー的なバランスの法則」と「魂の学習」にあることが明らかとなるのだ。ある行為が善か悪かを決めるのは、その表面的な結果以上に、その行為に込められた「意図」のエネルギーなのである。故に、アカシックレコードを通じて自らのカルマと向き合う時、我々は「罪のリスト」を突きつけられるのではない。過去から持ち越した未解決の感情的エネルギーや、自らを縛る思考パターンが、いかにして現在の苦しい状況を再現しているかという「仕組み」を理解するよう導かれるのだ。その目的は過去を断罪することではなく、過去を魂のレベルで理解し、受け入れることで、現在をその呪縛から解放することにあるのである。

第六章:宇宙図書館への道

この宇宙の叡智が詰まったアカシックレコードは、決して一部の特権的な能力者にのみ開かれたものではない。その扉は、原理的にはすべての人間に開かれている。ただし、その扉を通過するためには、日常的な意識状態から、より深く、静謐な意識の領域へと移行する必要がある。そのための道筋、すなわちアクセス方法は、古来より様々な形で伝えられてきた。

すべての方法に共通する大前提は、日常的な思考や分析を司る左脳的な意識、すなわち自我(エゴ)の活動を鎮めることである。自我が静まり、意識が内側へと深く沈潜した時、宇宙の記憶との同調が始まるのだ。

瞑想 :最も正統的かつ直接的な方法である。快適な姿勢で心身をリラックスさせ、呼吸に意識を集中させる。雑念が浮かんでは消えるのをただ眺め、意識を一点に定めるか、あるいは完全に空にする。やがて意識が変容し、日常の五感を超えた情報が、映像、言葉、あるいは直感的な感覚として流れ込んでくる。頭頂から光の柱が伸びて宇宙と繋がるイメージを持つなど、特定の視覚化を用いることも有効である。

夢見 :我々の無意識は、睡眠中にアカシックレコードからの情報を自然にダウンロードし、整理している。特に、夢の中で「これは夢だ」と自覚する「明晰夢(めいせきむ)」の状態は、意識的にレコードにアクセスするための強力なゲートウェイとなる。夢日記をつけ、夢の内容を記録・分析する習慣は、無意識からのメッセージを解読する上で極めて重要である。

催眠療法(ヒプノセラピー) :エドガー・ケイシーが用いたように、専門家の誘導によって深い催眠状態(トランス状態)に入ることで、顕在意識のブロックを迂回し、超意識や潜在意識の領域に直接アクセスする方法である。

その他の変性意識状態 :体外離脱(幽体離脱)の体験も、意識が肉体の束縛から離れ、非物質的な領域を探索する点で、アカシックレコードへのアクセスと深く関連している。また、意識を「左目」に集中させるという技法も伝えられているが、これは直感や霊性を司る右脳を活性化させるための象徴的な手法と解釈できる。

これらの多様なアクセス方法が存在するという事実は、アカシックレコードに繋がる能力が、一部の選ばれた人間の「特殊能力」ではなく、すべての人間に備わった「普遍的な潜在能力」であることを示唆している。瞑想という求道者の道、夢見という幻視者の道、催眠という導かれる道。それらはすべて、同じ一つの深遠なる実在へと至る、異なる入り口に過ぎないのだ。現代において「誰でもアクセスできる」という言葉が聞かれるが、その言葉の真意を履き違えてはならない。扉は確かに万人に開かれている。しかし、その先の広大な領域を旅するためには、精神的な修練、曇りのない意図、そして得た情報を正しく解釈するための霊的成熟が不可欠であることを、心に刻むべきである。

第七章:叡智の恩恵と、その責務

アカシックレコードから叡智を引き出すことは、魂の成長にとって計り知れない恩恵をもたらす。しかし、その光が強ければ強いほど、影もまた濃くなる。大いなる力には、大いなる責任が伴うことを、探求者は決して忘れてはならない。

まず、その恩恵について語ろう。アカシックレコードに触れることの最大の恩恵は、「自己理解」の深化にある。自らの魂が何者であり、何を成すためにこの世に生を受けたのかという、存在の根源的な問いに対する答えを得ることができるのだ。これにより、人生の羅針盤が定まり、揺るぎない自己肯定感と目的意識が育まれる。また、現世で抱えるトラウマや苦悩の根源を過去世にまで遡って突き止め、その根本原因を理解することで、深いレベルでの「癒やし」がもたらされる。繰り返される失敗や人間関係の軋轢といった「カルマのパターン」を客観的に認識し、その連鎖を断ち切るための具体的な指針を得ることも可能となる。

しかしながら、この叡智の探求には、相応の危険と責務が伴う。

解釈の歪み :受け取った情報は、探求者の自我というフィルターを通して解釈される。願望や恐れ、既存の思い込みが強い場合、情報を自分に都合よく歪めてしまい、真実からかえって遠ざかる危険性がある。

精神的衝撃 :準備ができていない状態で、過去世の壮絶なトラウマや、未来に関する厳しい可能性に直面した場合、深刻な精神的ダメージを受けることがある。

運命論への陥穽 :未来の「可能性」を、変えることのできない「決定事項」と誤解してしまうと、生きる希望や努力する意欲を失い、無気力や絶望に陥る危険がある。

他者による操作 :特に他者の誘導によってアクセスする場合、その指導者が未熟であったり、邪な意図を持っていたりすると、偽りの情報を植え付けられ、精神的に支配されるという最悪の事態も起こりうる。

これらの恩恵と危険性を分かつものは何か。それは、探求者の「意図の純粋性」である。アカシックレコードは、霊的な「根本律」のもとで機能しているように見受けられる。すなわち、知識は単なる好奇心を満たすためではなく、魂の成長と癒やしのためにのみ与えられる、という法則である。探求の道で生じる危険とは、レコードからの罰などではない。それは、未熟な意識が、自らの器に余る強大な力(情報)を扱おうとした時に生じる、自然な結果なのである。「私は金持ちになれるか」といった利己的な問いかけは、混乱した象徴的な答えか、あるいは沈黙しか生まないであろう。対して、「私の魂が真に成長するために、今何を学ぶべきか」という真摯な問いかけには、必ずや的確で慈愛に満ちた導きが与えられる。アカシックレコードの最も堅固な門番は、探求者自身の霊的成熟度なのだ。

第八章:現代に響く太古のこだま

アカシックレコードという概念は、一見すると神秘主義の領域に属する秘教的な思想に思えるかもしれない。しかし、その思想のこだまは、現代の様々な分野にまで響き渡っている。それは、この概念が人類の意識の深層に根差した、普遍的な原型(アーキタイプ)であることを物語っている。

心理学との共鳴 :アカシックレコードと最も顕著な類似性を持つのが、スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングが提唱した「集合的無意識」の理論である。ユングは、個人の無意識のさらに奥底に、全人類に共通する、神話や象徴の源泉となる普遍的な無意識層が存在すると考えた。アカシックレコードが宇宙全体の記憶であるならば、集合的無意識は人類という種が共有する魂の記憶の層と見なすことができ、両者は密接に関連している。

科学との邂逅 :まず明確にしておくべきは、現在のところ、アカシックレコードの存在を証明する直接的な科学的根拠は存在しないということである。しかし、最先端の物理学の領域では、この古代の叡智と奇妙に響き合う仮説が語られている。その一つが「ゼロ・ポイント・フィールド理論」である。この理論は、何もない真空空間にも膨大なエネルギーが満ちており、そのフィールドには宇宙のすべての情報がホログラムのように記録されている可能性があると示唆する。これは証明ではない。だが、科学が物質の探求の果てに、すべてが繋がり、すべてが記録されているという、神秘主義が古来より説いてきた世界観に近づきつつある兆候と見ることもできる。

懐疑的な視点 :科学的な立場からの最も有力な反論は、心理学における「確証バイアス」である。これは、人が自らの仮説や信念を支持する情報ばかりを無意識に探し、それに合わない情報を無視・軽視する認知の偏りを指す。この観点からすれば、アカシックリーディングとは、リーダーが発する曖昧な情報の中から、相談者が自分の人生の物語に合致するものだけを無意識に選び取り、意味付けを行うことで「当たっている」と錯覚するプロセスであると説明できる。

大衆文化への浸透 :アカシックレコードという概念の生命力は、それが現代の物語の中で生き続けていることからも明らかである。アニメ『ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)』、ゲーム『ファイナルファンタジーXIV』、特撮『仮面ライダーW』に登場する「地球(ほし)の本棚」など、枚挙に暇がない。これらの作品は、宇宙のすべての知識にアクセスするという、我々の根源的な憧れを刺激し、この古の概念を新たな世代へと語り継いでいるのだ。

結論として、アカシックレコードとは、単なるオカルトの用語に留まるものではない。それは、アーカーシャ、集合的無意識、ゼロ・ポイント・フィールドといった異なる名で、時代や分野を超えて繰り返し現れる「相互接続性の神話的フレームワーク」なのである。その「真実性」は、物理的な証明の有無によって揺らぐものではない。その価値は、我々が抱く「いかなる経験も決して失われることはなく、すべての生命は一つの壮大な物語の一部である」という深遠なる直観に対して、力強く、意味深い形を与えてくれる点にあるのだ。アカシックレコードの探求とは、究極的には、宇宙という巨大な他者の中に、自分自身の真の姿を見出すための、魂の旅なのである。

参考元

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神秘の叡智! アカシックレコードとは? - カクヨム: https://kakuyomu.jp/works/168173306625300...

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サンスクリット語 一日一語: 4. アーカーシャ(आकाशः [ākāśaḥ])- 空間、空、スペース: http://sanskrit-vocabulary.blogspot.com...

アカシックレコードは「宇宙の図書館」ではない。|らうぐ|note: https://note.com/laug_lite2024/n/n392e4b...

アカシックレコードとは?アクセスするメリットや危険性、方法を解説: https://e-kantei.net/lp/spiritual_00041/

シュタイナー“アカシック・レコード”の本質―「記録」ではない、「創造」こそがアカシックの真の姿だった! - 紀伊國屋書店ウェブストア: https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9...

アカシックレコード - Wikiwand: https://www.wikiwand.com/ja/articles/%E...

アカシック・レコードは、子どもの感性に戻る扉。 - 天然生活: https://tennenseikatsu.jp/_ct/17478082

アカシックレコードとは?意味やできること、リーディングとの違いも解説 - 電話占いみんなの電話占い: https://sp.minden.jp/fortunetype/psychi...

アカシック・レコードとエドガー・ケイシー: https://raifuku.net/dic/seiyou/eu_06040...

アカシックレコードとは?アクセスしてわかることやメリット・デメリットを解説! - 電話占い「絆」: https://hayatomo.net/guest_category_menu...

アカシックレコードとは?その意味や歴史、アクセスする方法を解説! - 占いバランガン: https://www.balangan.jp/column/akashikku/

アカシックレコードとは?危険性や魂の使命を知る方法を解説! - un-koi(ウンコイ): https://unkoi.com/article/akashicrecord/

アカシックレコードリーディング体験記|こはる|note: https://note.com/fair_coyote995/n/nf8c9...

宇宙の図書館「アカシックレコード」の謎:科学と宗教の意外な接点 - Lily's AI: https://lilys.ai/notes/106503

エドガー・ケイシー - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%82%AC...

確証バイアス - Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A2%BA%E8%A8%BC%E3%83%90...

集合的無意識とは?恋愛に利用する方法まで徹底解説!: https://kaiyoshinao.com/collective-uncon...

ゼロ・ポイント・フィールド理論とアカシックレコード - 葬儀屋.biz: https://www.sougiya.biz/kiji_detail.php?...

カルマを現世で解消するとどうなる?カルマが解消されるサインも紹介 - un-koi(ウンコイ): https://unkoi.com/article/49607/

カルマの本当の意味と解消法: https://wholeheart.jp/index.php?%E3%82%AB...

ロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード) - eeo Media: https://eeo.today/media/2022/02/24/31633/

アーカーシャの記憶 - FINAL FANTASY XIV, The Lodestone: https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone...

集合的無意識、阿頼耶識、魂、宇宙意識、アカシックレコード - ココナラ: https://coconala.com/blogs/4226740/379633

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